和食器のお店 Soil浅草のこと。

今年は春先からずっと、モヤモヤとした、やるせない気分が続いています。
新型コロナウイルスというフレーズも聞きなじみ、手洗いやうがいもすっり習慣づきました。

何をもって、人間らしい生活なのかは、人それぞれの価値観によると思いますが、
家で過ごす時間がたっぷり増えたことにより、日々の生活を丁寧に、快適に、より豊かなものにしたい、
そんなふうに考えるようになった人も、きっとたくさんいるのではないでしょうか。

「Soil(ソイル)」という店名の由来は、英語で「土」を意味します。
お店には、日本各地の職人さんの手で、丁寧に、丁寧につくられた器を集めました。
それらの陶器やガラスは、土から生まれ、そしてやがて土へと還っていくもの。
お店に置いている木綿や竹細工なども、いつか土に還っていくものです。

そんな土の温かみを伝える和食器や、天然素材の台所用品は、
実直な職人さんの思いがこめられているので、どれも優しくて、どこかほっこりするもの。
きっとそれは、何気ない日常に、ちょっとした彩りやささやかな幸せをもたらしてくれるはず。

今から1万年以上ものはるか昔、私たちの祖先は、土と火を駆使して器を作りました。
それは縄文土器と名付けられ、その時代は縄文時代と呼ばれるようになった。
そんなことを、歴史の授業で学んだ記憶がありますが。

未来の子供たちは、2020年に私たちが体験している出来事を、
歴史の教科書で目にするようになるのでしょうか。
ペスト大流行みたいに、新型コロナウイルス大流行やら何かとして。

そんなことに思いを馳せていると、
未来の人たちにも、美しい地球を残してあげたいなあと、漠っとした気持ちに行き着きます。

環境にも人にも優しい、そんな温もりのある日用品をご紹介していきたいと思っています。
それらが、今のみなさんの生活も、より快適に、より豊かにできるものであると、幸せです。

2020年6月5日 
和食器のお店 Soil浅草 濱田由美子